「SEって一人で黙々とパソコンに向かって作業してるんじゃないの?」
「コミュニケーションが苦手でもSEになれるの?」
そんなふうに思っている方も多いのではないでしょうか。
結論から言うと、SEにとってコミュニケーション能力は必要です。ただし、「話し上手」「おしゃべりが得意」といった意味ではありません。
SEのコミュニケーション能力とは伝える力・聞く力・共有する力です。
本記事では、大手SIerでSE・PMを経験した筆者が、現場で必要とされる「SEのコミュニケーション能力」についてわかりやすく解説します。

コミュ力がある人=「話し上手な人」と思われがちですが、SEに求められるコミュ力は少し違います。これを知ってるだけでも、あなたのSEとしての市場価値UPです!
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SEの「コミュニケーション能力」って何を指す?
SEに求められるコミュニケーション能力は、単に「人と話すのが得意」という意味ではありません。
むしろ、技術的な内容を正確に伝えたり、関係者との認識をすり合わせたりする力が重視されます。
ここでは、SEに必要な具体的なコミュニケーション能力を4つに分けて解説します。
相手の話を正確に理解する「傾聴力」

SEは顧客やチームメンバーと会話する中で、「相手が本当に求めていることは何か?」をくみ取る必要があります。
特に要件定義の場面では、お客様自身が課題を正確に把握できていないことも多く、話をうのみにするのではなく、背景や意図を理解する姿勢=傾聴力が重要になります。
一見シンプルな要望でも、裏には複雑な事情や運用制約が隠れているケースもあり、相手の言葉の奥にある本音をくみ取れるSEは信頼されます。
専門用語を噛み砕いて説明する「翻訳力」

IT業界では専門用語や略語が多く、技術職同士であれば通じる話も、非エンジニアには伝わりにくいことがあります。
SEには、そうした技術的な内容を、わかりやすい言葉で説明する「翻訳力」が求められます。
たとえば、インフラの冗長構成について説明するとき、「片方が故障してももう片方で動くようにしてある」といった表現に変えるだけで、相手の理解度が大きく変わります。
この力は、顧客対応だけでなく、社内での説明資料作成や後輩指導の場面でも非常に役立ちます。
状況を整理して伝える「論理的思考力」

SEはトラブル対応や会議の場面などで、「いま何が起きていて」「何が原因で」「どう対応すべきか」を簡潔に伝える場面が多くあります。
そのためには、情報を整理し、論理的な順序で説明する力が欠かせません。
技術が得意でも、状況説明が曖昧だと誤解やミスにつながるため、「技術力 × 論理的な伝え方」の両方があってこそ、チーム全体の生産性が上がります。
簡潔に伝えるために、PREP法(結論→理由→具体例→まとめ)を活用するのもおすすめです。
報連相(報告・連絡・相談)の習慣

コミュニケーション能力と聞くと「会話力」や「プレゼン力」を思い浮かべがちですが、実際の現場で最も大事なのは、報連相の習慣です。
小さな進捗でもこまめに報告し、方針に迷ったときは早めに相談する。
こうした日常的なやりとりがプロジェクトの円滑な進行を支えます。
特にSEの仕事は複数人で進めることが多いため、「黙って抱え込まない」「早めに伝える」ことが信頼を得るうえで重要になります。

「伝える力・聞く力・共有する力」こそが、SEに求められるコミュニケーション力です。
簡単そうですが、こういう基本的なことほど出来ていない人をたくさん見てきました。
だからこそ、ここをしっかり押さえるだけでもグッと信頼されるSEになれますよ!
実際にSEが直面するコミュニケーションの場面
SEの仕事では、設計や開発だけでなく、プロジェクト関係者とのコミュニケーションが日常的に発生します。ここでは、実務でよくあるコミュニケーションの具体例を4つご紹介します。
顧客との要件定義(何を作るかを一緒に決める)
SEは、システム開発の初期段階で顧客と「何を作るのか」を一緒に決める要件定義の場に関わります。
この段階では、顧客の業務課題や希望をヒアリングしながら、実現可能な仕様へと落とし込むことが求められます。
顧客はITに詳しくないことも多いため、こちらから提案する力も求められます。
その場合、顧客が望んでいることや顧客が抱えている課題、顧客の事業内容まで把握することで提案力を上げていきます。
要件の聞き取りが不十分だと、後の工程で手戻りが発生し、大きなトラブルにつながることもあります。
設計書のレビューや調整
基本設計や詳細設計といったドキュメントを作成した後は、チームメンバーやリーダーによるレビューを受けます。
レビューでは、「なぜこの仕様にしたのか」「こうした場合はどう処理するのか」といった質問に対応することも多く、自分の設計意図を的確に説明する力が求められます。
また、レビューでの指摘を受けて修正・調整を行う際も、相手の意図を正しくくみ取る「傾聴力」が重要になります。
チーム内での作業分担・進捗報告
開発現場では、複数人のチームで作業を進めることがほとんどです。
そのため、自分の担当範囲だけでなく、他のメンバーの進捗や課題も把握しながら連携を取ることが大切になります。
定例ミーティングやチャット上での進捗報告、作業の引き継ぎなど、「相手が理解しやすいように伝える力」がチーム全体の生産性を左右します。
私はエクセルや開発ツールで進捗を可視化してメンバ間の作業が被らないようにしていましたが、SEはチームメンバーに上手く情報共有する力が求められます。
障害やトラブル対応時の連携・報告
本番環境で障害やトラブルが発生した際には、スピード感のある対応と正確な情報共有が求められます。
たとえば、「何が起きているのか」「どの範囲に影響しているか」「原因の切り分け状況」「どんな対応をしているか」など、状況を整理して報告・共有することが不可欠です。
私の経験でも、迅速に関係者に報告し、影響範囲を明確に伝えられるかどうかで、その後の対応スムーズさが大きく変わりました。
特に顧客からの信頼を下げないためにも、トラブル時の報連相はより重要とも言えます。
冷静さと伝達力は、SEにとって非常に大きな武器になります。

ステークホルダーとの調整が多いSE業務では、どんなに気を付けていても認識ズレは起こるもの。私も何度か失敗してきました…。対策として、顧客やチームメンバとこまめに意識合わせするため、定例会議やチャットなど複数の方法でのやり取りは必須。さらに相談しやすい環境づくりにも配慮していました。
コミュニケーションが苦手でもSEになれる?
「人と話すのが苦手だからSEは無理かも…」と思っている方も安心してください。
SEにとって大切なのは、“上手に話すこと”よりも“伝わるように工夫できるか”です。無口でも、丁寧にチャットやメールで報告・相談ができる人は信頼されます。
実際、私がいた会社でも、報連相ができる・論理的に話せるSEが多かったです。
コミュニケーションに自信がない方も、「聞く姿勢」や「わかりやすく伝えようとする意識」があれば、SEとして十分活躍できます。

私は話すことが得意ではありませんでしたが、SEとしてのコミュ力は業務を通して身に着けることができました。「話をよく聞く」「相手が求めている回答をする」等を意識することでSEやPMをこなしていました。
SEとしてのコミュニケーション力を伸ばす方法
「自分はコミュニケーションが苦手かも…」と感じている方も大丈夫。SEに必要なコミュ力は、特別な才能ではなく、日々の意識と工夫で少しずつ身につけていくことができます。
ここでは、実務でもすぐに役立つSE向けのコミュニケーション力の伸ばし方を紹介します。
報連相(報告・連絡・相談)を習慣にする
SEにとって最も基本であり、かつ最も大事なのが報連相です。
「ちょっとした進捗報告」や「悩んでいることを早めに相談する」など、小さなやりとりを丁寧にこなすことが信頼につながります。
普段のメールやチャット、定例ミーティングで、相手にわかりやすく伝える意識を持つだけでも、大きなトレーニングになります。
PREP法などのフレームを使って話す練習をする
「何を言いたいのか伝わらない」と感じたことがある方には、PREP法(Point→Reason→Example→Point)がおすすめです。
たとえば、「この設計にした理由は〇〇です。なぜなら~。具体的には~。だから〇〇にしています。」というように、筋道立てて話す練習をすると、会話や資料作成がぐっとわかりやすくなります。
IT系のチーム開発に参加してみる
コミュニケーション力は、実践の中でこそ伸びていきます。可能であれば、チームでの開発経験を積んでみましょう。
最近では、オンラインの学習サービスやハッカソン、インターンシップなどでもチーム開発を体験できます。
役割分担や設計方針の共有、Gitを使ったやりとりなどを経験することで、実務に近いコミュニケーションスキルが自然と身につきます。
会話より「伝える工夫」に意識を向ける
「人と話すのが苦手…」と感じている方は、無理に話し上手になろうとしなくてOKです。
それよりも、「どうすれば伝わるか」「相手が理解しやすい伝え方は何か」を意識することが、SEにとって大切な姿勢です。
チャットや資料、口頭での報告でも、「結論から話す」「図や表を使う」「専門用語は避ける」など、小さな工夫の積み重ねが、結果的に高いコミュ力へとつながっていきます。
実務経験が少ないうちは、ブログやQiitaで記事を書くことも「わかりやすく伝える練習」になっておすすめです。
実際の失敗や成功体験を振り返ってみる
これまでの学業やアルバイト、インターンなどの中で「うまく伝わった/伝わらなかった」経験があれば、その要因を振り返ってみましょう。
「相手の立場で考えられたときはうまくいった」「先に結論を言えばよかった」など、自分なりの気づきがあれば、今後の成長に直結します。
SEのコミュ力は、一朝一夕で完璧になるものではありませんが、「相手に伝えようとする姿勢」があれば、必ず伸ばせます。
まとめ|SEにとっての「コミュ力」は話し上手より伝える姿勢
SEにとってのコミュニケーション能力とは、「人と話すのが得意かどうか」ではなく、「相手の話を聞いて理解し、自分の意図をわかりやすく伝える力」です。
特別なスキルが必要なわけではありません。
日々の業務での報連相や、資料・チャットでの伝え方を少しずつ意識していくだけでも、確実にスキルは磨かれていきます。
もし「自分はコミュニケーションに自信がない…」と感じていても、“伝えようとする姿勢”があれば、SEとして十分にやっていけます。
今回紹介した内容を参考に、少しずつ自分なりの伝え方を磨いていきましょう。
SEという職種に興味を持った方は、「いつ・何をすればいいのか?」という就活全体の流れも押さえておきましょう。
下記記事で、IT業界志望の学生向けにスケジュールとやるべきことをまとめています。
また、「自分に向いている企業をプロに相談してみたい」という方は、就活エージェントの活用もおすすめです。


